「素のまんま」
ミルクそのままのフレッシュタイプのチーズです。
搾乳から2時間以内に加工を開始しています。近くの「ヤギーズカンパニー」さんのミルクを使用させていただくこともあります。新鮮なミルクから出来たチーズには、はっとするような爽やかな香りが漂います。
ハチミツやジャムを添えればデザートに。パンに乗せるのもいいですね。塩とハーブやオリーブオイルを掛けるとワインのお供になります。
意外と思われるかもしれませんが、ほかほかご飯に乗せて鰹節とワサビをかけてお醤油を一振り、、、これもおススメです!
塩とワサビと合わせれば日本酒が飲めます!
ひとつ 40gの個包装です。
目安としてはピンポン玉くらいの大きさです。
業務店様には100g単位での包装もしています。
賞味期限は包装から21日ですが、お届けまで数日掛かりますので、14日はあると思っていただければ嬉しいです。
「朝比奈醍醐」
(ASAHINADAIGO)
静岡県に流れる朝比奈川の源流付近に位置する山羊のしっぽ農園の熟成タイプ。古代日本にあったとされる伝説の乳製品「醍醐」のように純粋最上の味のものであるように願って名付けました。
このチーズは、国内では珍しい無殺菌乳で作られたもので、ミルクから起こした乳酸菌群や酵母を使用しています。日本酒でいうところの「生酛」や、ナチュールワインと同じようなことと理解いただければいいかと思います。
季節ごとに味わいが変化し、表面に出る酵母も変わります。変化していくチーズを楽しんでいただければ嬉しいです。
無殺菌乳での製造も、自家培養酵母も共にリスクが伴います。だからこそ、健康な家畜の新鮮なミルクと、発酵を妨害するような化学物質などの少ない、かつ衛生的な製造・熟成環境が必要です。
また、ミルクの味は動物が何を食べたかで変化します。その土地の草を食べた動物のミルクを殺菌せずにチーズを作ることで、チーズにその土地の個性が加わります。そのことが世界中にこれだけ多様なチーズがある所以だと思います。
ミルクは母親が子供を育てるために作り出す、極めて栄養価の高い酵素もたくさん生きている貴重なものです。条件さえ整えれば、それらの貴重な酵素もそのままチーズにすることができます。熟成中にそのすべてが影響して生み出される旨味は、驚くべき深さと複雑さを持っています。
※無殺菌乳での製造となるため、乳幼児、妊娠中の方、抵抗力の落ちている方はお控えください。
朝比奈醍醐の背景
このチーズの作り方は、私が大尊敬する山田圭介さんに教わりました。圭介さんは北海道の函館の近く、七飯町というところで「山田農場」として山羊飼いとチーズ作り、ワイン造りにも取り組まれています。その前は私の前職場でもある、共働学舎でチーズを18歳のころから作っていた方です。
圭介さんのことは、尊敬しすぎて何から書いていいかわからないのですが、、最も尊敬する1番のポイントは物事を掘り下げて掘り下げて、根っこの部分まで掘り下げて自分で理解するまで掘り下げる手を緩めない、という所かと思います。教科書や誰かが言ったことを聞いて、理解したつもりにならないといいますか…。自分で仮説を立てて、実験してその結果を元に理解を深めていかれているように思います。
そんな圭介さんだから、自分なりの菌の起こし方やチーズの作り方を膨大な試行錯誤の末に編み出し(形になるまでに5年掛かったと聞いています)、それから毎年少しずつ改良を加えて今のガロ(山田農場のチーズの名前)になっています。
その膨大な苦労の末のチーズの作り方を私に惜しみなくすっぽりと教えてくれた!そんなことがあるでしょうか。でも、共働学舎の宮嶋代表が惜しみなくどんな情報も周りに伝える人だったから、そのイズムが続いているとも言えると思うのですが…。
「この作り方でどこでも作れるっていうことが大事なんだ、自分だから作れると思われるのは違う。誰もが作れるやり方こそが本物だ」(←意訳かもしれません。こういう趣旨のことを圭介さんは私に言いました)
私はこのチーズを「自分で作っている」という感覚とは少し違った感覚で作っています。注意深く条件を整え、手順を守っているという感覚です。毎回出来上がるチーズの味に驚いています。
「奇跡のりんご」の木村秋則さんをご存知でしょうか。木村さんは、自分がりんごを作っているからと言って、自分の手からリンゴを出すことはできない、りんごの木があるからできるんだ、というような内容の発言をされています。
私も自分の手からチーズを生み出す事は出来ません。ミルクと微生物がいてくれるから生み出される味わいがあります。彼らが心地よく働く環境を整える事が自分の仕事と思っています。ミルクと微生物の世界に神秘を感じています。